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かかる。そのため、曳航索の破断やウインチエンジンのトラブルが起こりやすい。単独近くの経験不足のものや、操縦技量の低いものが、このようなトラブルに遭遇して、低高度であわててまちがった操作をする場合が多い。これを3−31図で示すと、A飛行区域では離陸点に近いほど、危険である。パイロットは、離陸直後の安全高度50〜60mで自機の姿勢を上昇姿勢に移したならば、自機の計器速度を読みとり、無線でウインチ側へ連絡する。上昇姿勢に移すときは、3−34図の(b)のように、なめらかに行なう。
(a)のような上昇は、決してやってはいけない。これは、ウィンチ側に急に荷重がかかるため、エンジンにも荷重がかかり、ウインチドライバーは、曳航速度(巻取速度)を必要な速度にたもつことがむずかしくなる。また、曳航索に衝撃的な荷重がかかり、破断するおそれがある。(b)のような上昇の場合でも、(イ)と(ロ)の荷重の差は、20倍以上になるので、ウインチ側が(ロ)の姿勢に適するパワーで応ずることが、ついおくれ気味になる。
それで、パイロットは、(ロ)近くでの自機の計器速度に特に注意し、不足の場合には、機首をやや下げ、無線によって連絡をし、速度の増加によって、再びもとの姿勢にかえるようにする。また、ウインチ側は、姿勢の変化を見ながら、無線連絡をして、パワーを増加し、タイミングが遅れないように注意する。

 

上昇姿勢
3−34図の(b)の(ロ)の点を過ぎたならば、風の強さに関係なく、次のような上昇姿勢を保持しなければならない。離陸後3秒ぐらいの時間で、上昇角をとる。

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